ホワイトラビット
お父さん、『レ・ミゼラブル』読んだことある?」
「何だ、それは」
「小説だよ」
「映画で観たかもな」
「映画のはかなり圧縮されているんだよ、もともとの小説は、ストーリー以外のところがたくさんあって。ジャン・ヴァルジャンが下水道の中を逃げるんだけど、その前に、パリの下水道事情を1章使って、説明したりするんだよ」
「下水道事情?ストーリー以外のところなんて必要なのか?」
お父さんは分かってないな、と愛華は笑った。「そういう無駄なところが、物語を豊かにするんだから」
(ホワイトラビット 伊坂幸太郎より引用)
なんか気になったので、メモしました。伊坂さんの小説は、ところどころで心に響くフレーズがあって、好きです。
自分の生活にも本筋のストーリーみたいなのがあって、無駄なことして、回り道して、向かってると思うのですが、そんな無駄を要らないとするわけではなく、豊かにするものと受けとめることが、本当に必要なことだと
身にしみています。無駄を楽しもう。